ご主人の馬場貞寿(さだとし)さんは、おいしいそばを提供しようと徹底的に食材を追求している。そば粉は石臼でひくより、杵(きね)で突いた方が製粉の過程で熱を出さず、風味が生きると、山形から杵突きそば粉を取り寄せて、細切りに打つ。そばつゆには五島列島のアゴ、羅臼の昆布、鹿児島のカツオ厚削り、京都・鷹峯(たかがみね)のしにせ『松野』のたる仕込みしょうゆを取り寄せる。さらっと京風に仕上がっている。

 「そばは削ってゆく世界です」とご主人。薬味もワサビは静岡・中伊豆産を選ぶなど、そばとの相性にこだわる。器も重厚で、落ち着いた色合いがそばによく合っている。

 メニューは至ってシンプル。ワサビ蕎麦切り、おろし蕎麦切り、鴨(かも)汁蕎麦切り(各1千円)。3品を合わせた蕎麦三昧(ざんまい)は2400円。ほかにとろろ蕎麦切り(1300円)、ぜんざい(500円)がある。

 ちょうちんに、酒だるでできたテーブル。落ち着いた雰囲気の中でぜいたくな気分になる。

〈夜は〉

 原則1日1組のみの予約制(4~20人)。御法度(ごはっと)鍋コース(1人5500円~)で季節の山菜やきのこ、山形地鶏がたっぷり食べられる。いろりを囲んで仲間と語り合うのも楽しい。

(茨木まんぷく会会員・橋本友男)

貞寿庵(ていじゅあん) 茨木市総持寺1の12の31。昼は午前11時30分~午後5時(売り切れ次第閉店)、夜は午後6時~8時(1日1組のみ。要予約)。月火定休(祝日にあたる場合は営業)。電話072・624・4045

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