「マグロのステーキがうまい。あと、ライスにカレーをオプションでつけたりできるのもうれしい」(東京・ペンネーム:めた坊)
築地市場内で飲食店が並ぶ一角。朝は市場で働く人でにぎわい、昼は近くのサラリーマンや観光客がやってくる。日本を代表する魚市場だけにすし屋が軒を連ねる。しかし、ここに行列ができる「洋食」の店がある。
店内は両脇に席が並び、厨房(ちゅうぼう)は奥。料理人が慣れた手つきでフライパンを振る。香ばしい香りが漂い、店内は活気にあふれている。
店主の竹田勝美(かつよし)さんによると、市場の関係者に人気があるのは「ポークソテー」という。普段、仕事で魚に接しているから、肉を食べたくなるのだろうか。
店は、築地市場ができる前に日本橋の魚市場にも店を構えていたという。料理に添えられるご飯に100円でカレーをかけてもらえる得なサービスもうれしい。
市場らしい人気のメニューは、マグロの尾の肉を使った「尾肉(おにく)ステーキ」だ。皿の中心に、甘辛い特製ソースにつつまれたマグロの尾肉がドンと構えている。中心にマグロの背骨の断面が見える。周囲の身をつまむと、一口サイズにぽろりと外れた。添えられたマヨネーズを少し絡めながらいただく。ジューシーな味わい。ボリュームもたっぷり。味付けは濃いめで、ご飯のおかずにぴったりだ。
この一品は5年ほど前に竹田さんが考案した。常連の卸業者の人から「尾肉」を店で使ってみないかともちかけられたのがきっかけだ。竹田さんも「魚市場ならではの特色あるメニューを作ろう」と考えていたところだった。
マグロは「泳ぎ続けないと死んでしまう」といわれる魚。尾は、そんなマグロが使い続ける部分だ。筋肉質で生では当然食べられない。
「たまに和食店で煮物にするくらいで、ほとんど使われなかった部位ですよ」と竹田さん。ところが、フライパンで火を通すと、硬いスジが、軟らかく変化した。しっかり熱を加えても、ジューシーさは失われない。しょうゆ、みりん、砂糖でソースを作っていたが、これにワインも加え、こくのある味わいを作り出した。ワインは普通、しょうゆとはあわせない、という。
当初は、本マグロの尾肉を使っていたが、原価が高く、入荷量も安定しなかったので、バチマグロに変更。いまでは、客の3割ほどが注文する人気メニューだ。
築地市場には移転の話がある。店は、どうするのか聞いてみた。
「もし、市場が移転すれば、店はたたむかもしれない」と残念な答え。新しい市場に店を移せば、多額の資金が必要だが、特別なスポンサーがつかないかぎりそれは難しいだろうとのこと。息子はいるが、跡を継ぐ予定はないという。尾肉ステーキ、いつまでも味わいたい逸品だ。
築地市場内で飲食店が並ぶ一角。朝は市場で働く人でにぎわい、昼は近くのサラリーマンや観光客がやってくる。日本を代表する魚市場だけにすし屋が軒を連ねる。しかし、ここに行列ができる「洋食」の店がある。
店内は両脇に席が並び、厨房(ちゅうぼう)は奥。料理人が慣れた手つきでフライパンを振る。香ばしい香りが漂い、店内は活気にあふれている。
店主の竹田勝美(かつよし)さんによると、市場の関係者に人気があるのは「ポークソテー」という。普段、仕事で魚に接しているから、肉を食べたくなるのだろうか。
店は、築地市場ができる前に日本橋の魚市場にも店を構えていたという。料理に添えられるご飯に100円でカレーをかけてもらえる得なサービスもうれしい。
市場らしい人気のメニューは、マグロの尾の肉を使った「尾肉(おにく)ステーキ」だ。皿の中心に、甘辛い特製ソースにつつまれたマグロの尾肉がドンと構えている。中心にマグロの背骨の断面が見える。周囲の身をつまむと、一口サイズにぽろりと外れた。添えられたマヨネーズを少し絡めながらいただく。ジューシーな味わい。ボリュームもたっぷり。味付けは濃いめで、ご飯のおかずにぴったりだ。
この一品は5年ほど前に竹田さんが考案した。常連の卸業者の人から「尾肉」を店で使ってみないかともちかけられたのがきっかけだ。竹田さんも「魚市場ならではの特色あるメニューを作ろう」と考えていたところだった。
マグロは「泳ぎ続けないと死んでしまう」といわれる魚。尾は、そんなマグロが使い続ける部分だ。筋肉質で生では当然食べられない。
「たまに和食店で煮物にするくらいで、ほとんど使われなかった部位ですよ」と竹田さん。ところが、フライパンで火を通すと、硬いスジが、軟らかく変化した。しっかり熱を加えても、ジューシーさは失われない。しょうゆ、みりん、砂糖でソースを作っていたが、これにワインも加え、こくのある味わいを作り出した。ワインは普通、しょうゆとはあわせない、という。
当初は、本マグロの尾肉を使っていたが、原価が高く、入荷量も安定しなかったので、バチマグロに変更。いまでは、客の3割ほどが注文する人気メニューだ。
築地市場には移転の話がある。店は、どうするのか聞いてみた。
「もし、市場が移転すれば、店はたたむかもしれない」と残念な答え。新しい市場に店を移せば、多額の資金が必要だが、特別なスポンサーがつかないかぎりそれは難しいだろうとのこと。息子はいるが、跡を継ぐ予定はないという。尾肉ステーキ、いつまでも味わいたい逸品だ。




介紹(1)